昭和人間との付き合い方 :トリセツから学ぶ価値観の違い

どうも、こんにちは!フルタニです。

今回ご紹介するのは、石原壮一郎さんの『昭和人間のトリセツ』。

昭和世代の私は取り扱いされる立場になるわけです。他者の目を通してみると自分の振る舞いが恥ずかしいほどよくわかります。なので、本書は昭和人間の謎を若干コミカルに解剖しつつ、その面倒くささ(愛すべき部分も含めて)を楽しむ内容になっています。

昭和人間との付き合い方 :トリセツから学ぶ価値観の違い

昭和人間ってどんな生き物?

まず、この本でいう「昭和人間」とは、昭和生まれの方々全般を指しています。特に昭和45年を境に、前期・後期に分けて分析しているのが面白いポイント。

  • 前期昭和人間:戦後復興や高度経済成長を体験している世代。根性論や「男は黙ってサッポロビール」みたいな価値観が強い。
  • 後期昭和人間:バブルの恩恵を受けた世代。トレンディドラマやクリスマスのイルミネーションに浮かれつつ、バブル崩壊も経験。

前期昭和人間は、堅実で努力家。昔ながらの価値観を大切にし、家族や社会に貢献してきた誇りがあります。一方で、時代遅れと見られることもありますが、そこに温かみや人情を感じることも。

この二つの昭和人間が持つ「独特の習性」に若干令和の人々が振り回される構図が、著者のユーモアたっぷりの語り口で描かれています。

1. 生きてきた時代背景が全然違う!

まずはこれ!昭和の前半生まれの人たち、つまり「前期昭和人間」って、戦争とか戦後の復興、高度経済成長とかをリアルに体験してる世代なんですよね。
彼らはね、「働け!根性だ!」みたいな価値観が染み付いてます。例えば、こんな感じ:
• 「あの頃はお米の一粒でも無駄にできなかったんだ!」
• 「テレビ?白黒で十分じゃないか!」

一方で、後期昭和人間はバブル景気やらゲームボーイやら、もうキラキラした時代に生きてるわけですよ。物が溢れてる時代に育ったから、苦労を知らないって思われがち。

でもね、バブルが弾けた後の「失われた10年」も経験してるから、意外と適応力は高いんです。なんていうか、「流行に乗りつつ、地に足ついてる感じ?」ですね。

2. 仕事観が全然違う!

前期昭和人間は、「仕事命!」 です。とにかく働いて働いて、飲んで働く。

  • 「上司に誘われた飲み会?断るとかありえん!」
  • 「休むやつは甘え!」

いやいや、もうそれブラックですよね。でも、彼らはそれが当たり前だったんです。

一方、後期昭和人間は、仕事観がだいぶ変わってきます。

  • 「働きすぎ?いやいや、プライベートも大事でしょ。」
  • 「効率よくやって、早く帰ろう!」

なんていうか、「ワークライフバランス」をちょっと意識し始めた世代ですよね。昭和生まれだけど、令和っぽい空気も持ってる、そんな感じ。

3. コミュニケーション方法が違う!

これ、結構おもしろいポイント!前期昭和人間って、なんかこう…「手書き命!」みたいなところがあるんですよ。

  • 「手紙を書くって素晴らしい文化だよね。」
  • 「メール?いや、直接電話でしょ!」

で、手書きや電話、FAXなどの手間のかかるコミュニケーションから離れられないのが特徴です。

後期昭和人間は、もうちょっとスマート。

  • 「OK!」
  • 「了解!」

みたいな感じで、LINEでも比較的シンプルにやり取りします。ただ、デジタルネイティブの若者から見たら、「まだちょっと古いな…」って思われることも。

4. 趣味や文化が違う!

前期昭和人間の趣味といえば、「将棋、囲碁、大河ドラマ」みたいな、渋いものが多い。

  • 「演歌を聴きながら熱燗!」
  • 「昭和歌謡は最高だ!」

後期昭和人間は、「バブルの影響」が色濃いんですよね。

  • 「スキー行こうぜ!」
  • 「トレンディドラマ見た?」

ゴルフ、カラオケ、スキーなんて、まさに「バブル三種の神器」ですよね。ちなみに、後期昭和人間は西洋文化にも影響を受けてるから、クリスマスやバレンタインにめちゃくちゃ乗っかります。

前期の方々は、なんていうか、日本の礎を築いた根性世代。一方で、後期の人たちは、その恩恵を受けつつも、令和への橋渡しを担う世代。どっちも大事な存在です。

というわけで、前期昭和人間と後期昭和人間の違いは一言で言うなら、「昭和は広い」です。同じ日本でも関東と関西が違うように、簡単にひとくくりにはできない違いがあることがわかります。

昭和人間あるある①:「おじさん構文」と絵文字の乱舞

最近、LINEでやたら長文のメッセージが飛んできたことはありませんか?「お元気ですか😊昨日のニュース見ました⁉️驚きです😳😳😳またお会いしたいですね👍」みたいなアレです。

これぞ昭和人間の青春の残り火「おじさん構文」です。「おじさん構文」とはLINEなどのSNSで中年男性が送るメッセージ文や言い回しを指す言葉です。絵文字や顔文字を多用したり、長文で句読点を多く使ったりするといった特徴があります。

彼らは日本人の中でも初めてデジタルデバイスを扱った世代。当時のデバイスでは文字以外の表現方法が限られていたため、飾り文字は珍しかったんですよね。これは使えると思ったのです。

つまり「おじさん構文」は昭和の「手紙文化」や「カラフルな演出好き」がそのままデジタル化した形なんです。絵文字や顔文字を使いすぎるのは「彩りを添えたい」という気持ちの現れなんですね。ちょっとウザいけど、悪気はないんです。

昭和人間あるある②:昔話が止まらない

「昔はなぁ、うちの近所に空き地があってな…」

「30年前の話やん!」って思わずツッコミたくなるエピソードトーク。昭和人間は自分の体験を語ることで若者に教訓を伝えたいと思っているんですね。でもそれが、若い世代からすると「また始まったよ…」と感じる原因に。

著者はここで「昭和人間は、時間の流れを少しゆっくり感じる傾向がある」と解説しています。つまり、自分が若かった頃が昨日のように感じるんだとか。それにしても、30年前の「昨日」はちょっと無理がありますけどね(笑)。

昭和人間あるある③:令和の職場に戸惑う

コンプライアンスが厳しい現代の職場。昭和人間はここに少なからず違和感を覚えているようです。

  • 昭和の職場:「みんなで残業!」「上司の飲み会には絶対参加」
  • 令和の職場:「定時で退勤!」「プライベート最優先」

時代が違えば常識も変わる。とはいえ、昭和人間が「最近の若いもんは…」と口にするのも、この文化的ギャップが原因なのでしょう。

昭和人間あるある④:男らしさ・女らしさの呪縛

「男は外で働き、女は家を守るべし!」という昭和時代の刷り込み。これは令和の価値観とは真っ向からぶつかる部分です。

例えば、昭和人間にとって「共働き」は珍しい時代でした。それゆえ、現代のジェンダー平等の考え方に戸惑うことがあるのも無理はありません。

しかし、著者は昭和人間をただ批判するのではなく、「その価値観も時代の影響を受けたもの」と理解を促してくれます。

昭和人間との付き合い方:心得3つ

では、私たちは昭和人間とどう付き合っていけばいいのでしょうか?この本のメッセージをもとに、3つの心得をまとめてみました。

心得1:根気強く「昔話」を聞くこと

昭和人間は、特に年齢を重ねた方になるほど、昔話が大好きです。高度経済成長期の苦労話、若かりし頃の武勇伝、あの頃のアイドルやドラマの話題…。これが会話の大部分を占めることも珍しくありません。

つい、「その話、前も聞いたよ」と思ってしまうこともありますが、ここは根気強く耳を傾けるのがポイント。大切なのは、彼らが話をすることで「自分を受け入れてもらえた」と感じることなんです。

対応のコツ:

  • リアクションを大きく!「えー!すごい!」とか、「その時代ってそんなだったんですね!」など、感心しているフリでもOK。
  • 「昔のことを知りたい」という態度を示すと、喜ばれること間違いなし。

でも、何時間も続く場合は適度に話題を変える技術も必要。「そういえば最近の○○はどうですか?」と、現代の話題にうまくつなげるのもテクニックです。

心得2:独自の価値観を否定しないこと

昭和人間の多くは、長い年月をかけて培った価値観や信念を持っています。例えば、男女の役割分担や仕事の進め方、コミュニケーションの仕方など、現代の感覚から見ると「それ、古くない?」と思うこともあるかもしれません。

でも、これを正面から否定すると、彼らは傷つきやすいです。昭和人間はプライドが高い一方で、実は繊細な部分もあります。「自分を否定された」と感じると、一気に壁を作られてしまうかもしれません。

対応のコツ:

  • 「そういう考え方もあるんですね!」と、一度受け入れる姿勢を見せる。
  • その上で、現代の価値観や状況を押し付けずに紹介する。「最近はこういう考えも増えてますよね」と、中立的に話すと対立を避けられます。

昭和人間の価値観は、その人が生きてきた時代の背景を反映しています。違いを理解しつつ、尊重する気持ちを持ちましょう。

心得3:LINEやメールの「おじさん構文」に慣れる

昭和人間との付き合いで避けて通れない「おじさん構文」。絵文字満載、改行多め、無駄に長文、そして何が言いたいのかわからない…なんてことも多いですよね。

こんにちは☺️✨今日はいい天気ですね☀️最近寒くなってきたので体調にはお気をつけてくださいね🍂💦またお会いできる日を楽しみにしています🌷🌟ではでは😌

こんなLINEが届いたら、「返信しづらっ!」と思うこともあるかもしれません。でも、これは彼らなりの「親しみの表現」なんです。悪意はまったくありません。

対応のコツ:

  • 必要以上に深読みしない。「こういうものだ」と割り切る。
  • シンプルな返信を心がける。「ありがとうございます!またお会いしましょう!」など、内容を軽く受け流すのがベスト。

逆に、こちらがあえて軽い絵文字を1つだけ入れると、コミュニケーションがスムーズになることも。「😊」くらいで十分です!

昭和人間との付き合い方は『受け入れとリスペクト』がカギ!

昭和人間との付き合いは、時に手間がかかるかもしれません。でも、彼らは豊富な経験と深い知恵を持っています。それを「めんどくさい」と切り捨てず、根気強く付き合うことで、きっと新しい発見があるはずです。

大事なのは、相手の話を聞く姿勢を持つこと、価値観を否定しないこと、そしてちょっとしたユーモアで返すこと。 この3つを心がければ、昭和人間との関係もきっと良いものになるでしょう!

まとめ:昭和人間は愛すべき存在

石原壮一郎さんの『昭和人間のトリセツ』は、昭和世代の「ややこしくも愛すべき部分」をユーモアたっぷりに描いた一冊。若い世代にとっては、「昭和の考え方ってこういう背景があったのか」と理解を深めるきっかけになるでしょう。

昭和人間との付き合いに悩んでいる人はもちろん、昭和世代自身が「俺(私)のことやん!」と自虐的に楽しむのにもおすすめです。

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violet
元テレビ番組制作者。NHKでEテレやってました。窓際の時、筑波大映像制作講師を務めたことをきっかけに副業開始。雇止めされた66歳。動画制作者として撮影から完プロまでワンオペの映像制作を本格稼働しました。メタバースは完全素人。360度動画制作に強い興味を感じています。未来を信じ、感謝の気持ちを忘れないで生きていく。動画サイトもやってます。oiuy.net