こんにちは!フルタニです。
今回は、ルートポート著『会計が動かす世界の歴史 なぜ「文字」より先に「簿記」が生まれたのか』について語りたいと思います。タイトルからして興味をそそられるこの本ですが、読み進めるうちに「簿記ってこんなに奥深いものだったのか!」と驚きの連続でした。
『 会計 が動かす世界の歴史』で学ぶお金のルーツ
簿記は文字よりも先に生まれた!?
まず、この本の最大のポイントは、 簿記が文字よりも早く生まれた という事実。人類は群れの中での貸し借りを記録するために、文字の発明より先に簿記的な技術を使っていたんですね。これには「簿記の歴史ってこんなに古いの?」と驚かされました。
例えば、ルネサンス期のイタリアでは複式簿記が誕生し、それが世界経済の発展を支えました。この時代には、 人の名前そのものが勘定科目として使われていた なんて面白いエピソードも!
また、江戸時代の日本では複式簿記がなくても高い算盤技術のおかげで複雑な商取引が可能だったという事実も紹介されています。これだけで「簿記って世界各地で独自の進化を遂げてきたんだな」と感じさせられます。
複式簿記が世界を動かした瞬間たち
本書では、簿記と歴史の関係性を象徴するエピソードが数多く紹介されています。たとえば:
• 1494年、ベネチアで誕生した『スムマ』が複式簿記を体系化
この画期的な発明が、その後の経済活動を一変させました。
• 産業革命が「簿記」を会計学へと進化させた
経営者と投資家が分離したことで、純資産や配当金の透明性が重要視されるようになり、現代の会計制度が確立されました。
• 価格革命と封建制度の崩壊
16世紀のスペイン発のインフレが、ヨーロッパの封建制度を終焉へと導いたというエピソードには、お金の影響力の大きさを実感します。
こうした具体例を通じて、「簿記がいかに世界を動かしてきたか」がよく分かります。
「お金」の本質が見えてくる本
この本を読んで特に印象的だったのは、 お金の本質が「譲渡可能な信用」である という考え方。お金そのものには価値はなく、それを信じる人がいるから成り立つ。これが紙幣の価値や経済活動の根底にある考え方です。
また、 鉄道の発展が公認会計士の誕生につながった など、日常では気づかないお金と歴史のリンクが非常に興味深い内容となっています。
初心者でも楽しめる、会計と歴史の入門書
会計や簿記と聞くと「難しそう」と感じるかもしれませんが、この本はそんな心配は無用。歴史の裏側にある会計の話を、わかりやすく、時にユーモアを交えながら解説しています。
僕自身、簿記や会計の知識はそれほど詳しくないのですが、この本を通じて「会計って面白い!」と思えるようになりました。そして、歴史を新しい視点で見られるようになったのも大きな収穫です。
まとめ:簿記の魅力に触れよう
『会計が動かす世界の歴史 なぜ「文字」より先に「簿記」が生まれたのか』は、簿記や会計に興味がある人だけでなく、 世界史を新しい切り口で楽しみたい人にもうってつけの一冊 です。
尚、石炭産業の記述などいくつかの部分や情報の出所については諸説あります。なので興味のある人は複数の観点から資料にあたってみるといいでしょう。
簿記がなぜ世界を動かしてきたのか、その答えを知ることで、きっと新たな発見がありますよ。もし少しでも興味を持ったら、ぜひ手に取ってみてください!
最後まで読んでくださり、ありがとうございました!この記事が参考になったら、シェアしていただけると嬉しいです😊